「こんなはずじゃなかった転職」とは、転職で期待していたものが実際とは違って、失望し、後悔することです。なぜ、そんなことになってしまうのか、その原因を探り、転職希望者がこんなことにならないように、対策を考えます。
転職に失望する5つの理由
1. 情報不足:
転職前に十分な企業リサーチや仕事内容の確認をせず、入社後に期待と現実のギャップに気づくケース。
原因
① 相手側企業の情報をチェックしても、先方の中途採用の狙いを自分なりに理解できていなかった
② 転職エージェントの話を聞いて、自分のスキル、キャリアで相手方の希望に応えられると考えた
③ 実際に自分がまかされた仕事が、事前の話とは違っていた
2. 企業カルチャーの不一致:
職場の雰囲気、上司や同僚との相性が自分に合わず、働きにくいとを感じる場合。
面接時までに聞いていなかった相手会社の内情、任された仕事の成果を上司が評価してくれないことも、企業カルチャーになじめないことにも。
原因
① カルチャーショックは、どこでも誰にでも起こりうる問題
② 相手、特に上司が期待している成果をあげていないことで、コミュニケーションがスムーズに進まない
③ 事前のリサーチで、企業風土、カルチャーを調べるのは限界、あとは、自分がそのカルチャーに合わせられない
3. キャリアのミスマッチ:
自分のスキルやキャリアの方向性が、新しい職場の求めるものと合わない場合。
原因
① 事前のすりあわせが不足していた 面接での質疑が不足
② 自分のキャリア、スキルが相手の希望人材のレベルにあっていなかった
③ 仕事を始めて、はじめてわかるミスマッチ(「えっ、これできないの?」)
4. 待遇の落差:
給与や福利厚生など、待遇面で思っていたよりも悪い条件が明らかになり、期待が裏切られること。
原因
① 給料条件の詰め:相手が期待する成果に届いていないと判断
② お互いに相手方への期待を十分に理解していなかった
③ その誤解を解消し、次のステップへの合意が作れない
5. 成長機会の欠如:
転職先でのキャリアアップやスキル習得の機会が少なく、自分の成長が見込めないと感じる場合。
原因
① 事前リサーチで社内のキャリア支援を見誤った
② 面接で社員のキャリアアップ支援の考え方を確かめなかった
③ 中途採用後、期待された成果を挙げえなかった場合
このような状況を避けるための対策
1. 情報不足:
相手方の会社情報のチェック。自分のキャリア、スキル以外のその会社の人材募集と経営方針、特に、DXへの対応をチェックする
あなたが応募する部門だけでは、その会社の方向性はわかりません。
どんな人材を求めているのか、新しい方向を実現するものなのか、どうか。
もし、あなたがIT人材だとして、会社の考える方向を実現するためには、あなた以外の人材が必要になるでしょう。その人材を集めているのかどうか。
あなたが営業部門だとしたら、今からはマーケティングオートメーション(MA)が主流になります。DXをやる会社なら、他の部門もDXスキルの人材を集めているはずです。
ビジネスのバックオフィス機能も、AIの活用で必要とされる人材が変わっていきます。
こういうことをじっくり調べて、あなた自身で転職先候補をリスト化していかないと、転職できたのはいいが、入って翌年に人員整理が始まった、ということになりかねません。
企業のDX頑張り度は、国が認定しています。最近は中小企業のDX頑張りが増えている。詳細は次。
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dx-nintei.html
2. 企業カルチャーの不一致:
カルチャーの不一致は、必ず起きる課題です。
ありったけのネット情報を調べても、その確度は保証されません。
やめた人の悪口も、あなたにあてはまるかはわかりません。
自分自身をそこに合わせていくことができるかどうか、あなた自身の許容度、適応力を考え、もし、自信がなければ、その会社はやめて、他の会社を探してみることです。
ちなみに、「あの人、期待されて転職してきたのに、成果あがってないよね」とまわりの人が考えると、人間関係は悪くなる可能性は大です。
もちろん、上司のパワハラは禁止されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001019259.pdf
一番、大切なのは、次のポイントでしょう。
① 自分のキャリアを伸ばしていくのが転職だと考え、
② あなた自身がキャリア戦略をもって、転職先を見つける、
③ 転職先で生じるカルチャーギャップは、自ら、解決する決意をもって、必要なことを実行。
3. キャリアのミスマッチ:
これは、事前のすり合わせをあなたと会社側でじっくり行うことです。転職エージェントがいても、会社側とあなた自身が、中途採用後、どんなスキルをもって、どんなことが期待されているのか、箇条書きでそのポイントを双方で話し合っておくことです。
相手方の期待事項に応えられない場合、きちんと相手に説明しておくことです。入社後に後悔するより、入社前に詰めておく。
外資系であれば、このステップを踏んで、オファーレターが来ますが、今後このプロセスをきちんとクリアする会社が増えてくると思われます。
4. 待遇の落差:
これも、事前に詰めておくポイントです。
仕事の内容、求められる成果、自分にその能力、スキルがあるのかどうかを判断するのが第一、さらに評価制度、報酬額の確認、待遇などきちんとすり合わせておくことです。評価権者の確認もやっておくことです。
5. 成長機会の欠如:
スキルを磨くことを会社が応援、支援してくれるかどうか、これはその制度があるかどうかの話です。
求められる成果をあげていないと判断される場合、他のスキルを学ぶよりも、期待されている成果をあげることが最優先になるのは致し方ないところです。
一つの大きなポイントは、2030年にかけて、大企業はもちろん、中小企業もDXを進めていく人材にニーズが移っていきます。DXを怠る会社は、業績が傾いていくので、あなたが選ぶべき転職先にはならないでしょう。
であれば、自分のスキルセットをどこにもっていくのか、転職の作戦として考えることが必要になります。
リスキリングについては、次のページを参考にしてください。
https://careerup.reskilling.go.jp
DX人材作りを支援する企業はDX認定を受ける
詳細: https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dxnintei-point_202310.pdf